大阪の日本橋に、リヤカーで自署「宇宙人のツッコミ」という本を売り歩く奇妙な老人がいた。
彼がこの映画の主人公、金木義男だ。
はじめは、好奇の目で撮影していたが、撮影を続ける中、金木義男のスケールの大きさに、いつのまにか魅了されていく。
1936年(昭和11年)生まれ。
金木の夢は戦争や食糧危機など人間が起こすあらゆる問題「人間問題の解決」。
1950年代、大阪の芸術は世界のトップだった。
当時、時代を牽引する具体美術協会で金木は活動し、芸術家になる事を夢見ていた。
その活動の中でベニヤ板に「見せヘン」とマジックで書いただけの作品
「見せヘン」を発表する。
自分に才能がないことを悟り哲学の道に進む。
それから50年の月日をかけて書いた哲学書「宇宙人のツッコミ」を発表。
70歳を超えてリアカーで本を売り歩く。
そのユニークな販売方法からテレビや雑誌で取り上げられ
リアカーのおっちゃんとして一躍人気者になり1500冊以上が売れた。
しかし、一人も反応がなかった。
それでも金木は「人間問題の解決」の為、ある作戦を図る。
それは、壮大なロマンと夢を大舞台で語る「宇宙人のスピーチ」。
そんな中、突如胃ガンに冒されてしまう。
ガン治療の入退院を繰り返すもロマンと夢を追い続ける金木。
そして、老い先が見えた男は命の輝きを見せる・・・。
2014年制作 BD 100分 ちょもらんま企画